水道専門用語収録リスト:亜硝酸塩

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亜硝酸塩
亜硝酸塩は、窒素と酸素から成る化合物であり一般的に窒素酸化物として知られています。これは、窒素が酸素と結合してできる化合物の一種であり水道水の水処理過程や食品添加物などで使用されることがあります。主に水道水の水処理過程で関わるものとして亜硝酸塩が存在します。水道水中には微量の窒素化合物が含まれており農業や産業活動、排気ガスなどからの窒素が水中に流れ込むことによって生じます。この窒素化合物が水道水中で酸素と反応することによって亜硝酸塩が生成される可能性があります。
亜硝酸塩は、一定の量以下であれば問題ありませんが過剰に含まれると健康上のリスクがあることから水道水の管理や処理においてはこれを適切に管理する必要があります。
亜硝酸塩は、通常は食品添加物としても使用され、肉製品などの食品の保存や色合いを保つために使われることがあります。ただし、過剰摂取は健康に悪影響を与える可能性があるため、制限された量で使用される必要があります。水道水中の亜硝酸塩の量を制御するためには、水処理プロセスにおいて適切な処理が行われる必要があり適切な処理剤の使用や適切な浄水処理の実施などが含まれます。なお、詳細な水道水の亜硝酸塩の処理や対策に関する情報は、地域や国によって異なるため現地の水道局や専門機関によるガイドラインや規制を確認することが重要です。

水道水に用いる亜硝酸塩について
亜硝酸塩は水道水の水質管理において重要な指標であり特に地下水や河川水を水源とする水道において注意が必要とされる。これは主に窒素化合物の酸化還元過程において生成されるものであり、自然環境中ではアンモニアや有機窒素が微生物の働きによって亜硝酸塩へと変化し、さらに硝酸塩へと酸化される過程を経る。通常の水道水処理では塩素消毒が行われるがこの際にアンモニア態窒素が残存していると水中の塩素との反応によりモノクロラミンやジクロラミンなどが生成され、これがさらに分解されることで亜硝酸塩の濃度が上昇することがある。特に、給水管内の残留塩素濃度が低下すると細菌が繁殖しやすくなり、管内での硝化作用が促進されることで亜硝酸塩の濃度が増加することが確認されている。このため、水道事業者は浄水場での処理だけでなく、配水管網の管理にも注意を払う必要がある。亜硝酸塩は人体への影響が懸念される物質の一つであり特に乳幼児や高齢者に対して健康リスクが高まることが指摘されている。体内に取り込まれると、血液中のヘモグロビンと反応しメトヘモグロビンを生成することで酸素運搬能力を低下させるメトヘモグロビン血症を引き起こす可能性がある。また、胃内において二級アミン類と反応し、発がん性が懸念されるニトロソアミン類が生成されるリスクも指摘されている。こうした健康リスクを考慮し水道水中の亜硝酸塩濃度には厳格な水質基準が設けられている。日本の水道法では、亜硝酸態窒素の水質基準を0.04mg/L以下と定めており、この基準を超えないよう各水道事業者は適切な水質管理を実施している。水道水中の亜硝酸塩濃度を低減するためには、原水中の有機物やアンモニア態窒素の適切な除去、適正な塩素消毒、給水管網の衛生管理などが不可欠である。特に浄水場での高度浄水処理技術を導入することで前処理段階でのアンモニア除去や生物膜ろ過による硝化作用の抑制が可能となる。配水管内での細菌増殖を防ぐためには、適切な残留塩素濃度を維持することが求められる。加えて水道利用者に対しても定期的な水質検査や給水設備の適切な管理を促すことで、より安全な水道水の供給が可能となる。こうした包括的な対策によって水道水中の亜硝酸塩濃度を適正に管理し安全で安定した水の供給を確保することが、水道事業者の重要な役割となっている。



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